ヒーラー・セラピスト・カウンセラーなど、援助職/心理職を目指す方にまず考えてほしいのは、誰をラクにするために学ぶのかということ。
大昔のお話ですが、以前「産業カウンセラー養成講座」を受講したことがあります。
私の場合は、その前に学士編入した大学で心理学やカウンセリングを学んだり、セラピーで個人セッションを数百時間受けて、当時抱えていた個人的問題を解決していました。
(その時々で人生の課題があり、自立も一生かけて体得する生き方ですので、課題がなくなったわけではありません。)
開講すると、自分の問題を解決する目的で「カウンセラーを養成するための講座」を選んだ人が多く、私とは受講目的が違うことに驚愕したのを覚えています。
例えばグループで傾聴実習をした際、小学校教師が「人の話を聞くってこういうことなんですね」と語り、非常に驚きました。(日頃、生徒の話をどうやって聞いていたのでしょうか)
傾聴は特別なスキルではありません。自分の感情や主観を交えず、相手の感情を受容して「心の訴え」に共感すること。小学校教師なら、そのくらいの基本的コミュニケーションスキルはあって欲しいものです…。
親が傾聴していれば、わざわざお金を払って習わなくても、家庭内のコミュニケーションで自然と身に付きますから、恐らくこの方自身も「傾聴される体験」が少なかったのでしょう。受講目的はこれですね。
受講生の印象としては、見た目は普通でも、エネルギー的に「心を閉ざして下を向いている人」が多く、「自分は何者なんだ…」というエネルギーがその場に集合した感じでした。
当然のことながら、受講目的が「他者を支援」と「自己を支援」とでは、学ぶべき内容が違いますし、受講にあたっての「心構え」も違いが出てきます。
「自己支援」の目的でカウンセラー養成講座を受講する場合は、そのことを承知して、わきまえておく必要があるでしょう。親子問題を解決できていない人が多い印象でした。
様々な心理カウンセラー養成講座がありますが、学校や講座選びの前に、ご自身の受講目的を明確にすることが大事ではないでしょうか。